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母子手帳(5)

 

「低体重で生れた赤ちゃんとお母さん」

久留米大学文学部教授
宮原信孝

 

「保育器に入っている我が子を見て、妊娠中もっと耐えていたらと自責の思いにかられた」「緊急帝王切開(CS)にて出産。周りに同じ境遇の人がいなく、ネットを見るも却って落ち込み、毎日の面会を仕事のように感じた。小さく産んでしまったことへの申し訳なさでいっぱいだった。他の先輩お母さんからのアドバイスにもいらついてしまいひとりぼっちだと思った。」「母子手帳を広げて、自分の子供には成長曲線に体重のメモリすらないことに気付き、ショックを受けた。」「初めての妊娠がわかって、母子手帳をもらったときすごくうれしかった。しかし入院安静、その夜に緊急CS、母子ともに危ないと言われた。母子手帳には何もかけず、一歳までは何も記入できていなかった。」「未熟児はなくならないのに、どうして未熟児用の母子手帳がないのだろう・・・」「母子手帳は育児書として素晴らしいが、正常ではないと、自分が異常だと落ち込む一面もある。」

これらは、昨年12月20日、静岡県立大学で開かれた「第1回リトルベビーハンドブック(LBH)の発展を考えるつどい」の議事録に書かれた「お母さんの声」の一部です。このような思いをした、あるいはしているお母さんたちが数多くいらっしゃる中、ポコアポコ(小林さとみ代表)が静岡県の協力の下2011年に作製したのが「リトルベビーハンドブック(LBH)」です。

LBHの「巻頭のあいさつ」には、「小さく生まれてしまったのはお母さんのせいではなく、赤ちゃんが早くお母さんに会いたかったからだよ」というメッセージがあり、LBHを使ったお母さん方は、この言葉に「本当に救われた」とおっしゃっています。

低体重児の問題は、母子保健の中でも大きな問題の1つです。未熟児・低体重児・その他障がいをもって生れたお子さんなどが使える母子手帳は、お母さん方の孤独を解消し、「ママも早くあえてうれしかったよ」と言えるようにする力を持っています。LBHの普及は現代の日本社会の大きな課題の1つと言えるでしょう。

この問題に日本復帰直後から取り組んでいたのが沖縄県です。沖縄県が母子手帳を使うようになった時、このままでは使えないと思ったのではないでしょうか。沖縄県では、低出生体重の赤ちゃんが多かったのです。そこで、沖縄県では長期間のフォローをして育ちを見ていきたいと、当初は15歳まで使える母子手帳を県として作製し、平成21年からは、予防接種欄や歯科往診暦なども備え20歳まで使えるものとしました。家族みんなで子どもの健康と成長を考えるという趣旨から、名称も母子手帳から親子手帳に変えています。「人は、ひとり一人違い、また違う人生をもっている」という原点に立って、久留米でもLBHや親子手帳の普及について考えていければと思う次第です。

 

 

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