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◆教育フォーラムレポート (その1)

7月30日、久留米大学御井キャンパスにて第1回教育フォーラムを開催しました。

夏休みのはじめの週末という事もあり、子供達は、子供会の行事や中体連、地域のお祭り、家族旅行などの予定が目白押しの中、参加者は60名程でした。

いつもの講演会に比べると、こじんまりとした和気あいあいな雰囲気の中、午前中の対談で登壇してくださった立花高校の齋藤眞人校長先生と明蓬館高校の日野公三校長先生より「せっかく、こんな和気あいあいな感じでお話しをするのであれば、皆さんもどんどんご意見を言っていただき、座談会のような会でもいいじゃないですか?」と言って頂き、それぞれの先生方の学校運営や教育論も手短かに本当にラフにお話しができる会になりました。参加者の方々は、とてもラッキー!

午前中の2時間が、あっという間に終わりましたが、その内容の濃いこと!!

せっかくなので、今回の内容を毎月、シリーズで掲載する事にしました。

 

◆第1部  齋藤眞人校長先生と日野公三校長先生の対談

~日野先生の自己紹介~

私が特別支援教育を高校段階において追求するために明蓬館高等学校を作ったのが8年半前です。東田直樹さんを姉妹校の生徒として受け入れたのがきっかけでした。そして4年半前に東京・品川にSNEC(スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)を作りました。そもそも1999年に学校づくりを始めたきっかけは、妻との出会いです。妻は横浜の小学校で教諭をしていました。また、二人して特別支援教育に傾注していくようになったのは身近に発達障がいの課題を持つ人たちに接することがあったためです。そんな妻も今では個人で発達支援塾というのを開業しております。

私自身、20代はリクルートという会社の銀座の本社にいて、その後IT業界に転じ、30歳代はパソコン通信事業の会社の取締役をやっておりました。そのパソコン通信事業会社が神奈川県を大株主とし、神奈川・横浜の学校教育に関わることがあったからなんです。何が起点になって生き方が変わるかわからないものです。

~途中省略~

今日は、端的にものを言っていかなきゃいけないんだと思うので、申し上げたいのは、今、明蓬館の生徒400人のうち、約3分の1が、発達障がいの診断名を持っているということなんです。将来的には生徒数1000名、そのうち800名くらいは発達障がいというのが私の目指すところですね。そこまで専門性を高めていきたいと考えています。ただ世間一般は、今、小中学生の6.5%は、発達障がいですし、大人の発達障がいと騒がれていますけど、おそらく社会的不適応を起こさずに済んでいる人を含めると、発達障がいのある人は10人に一人くらいだと思うんですね、

今、当事者のお母さん方が置かれています状況を常々考えるんですけど、非常に被害者的になっています。様々な周囲の圧迫、恫喝的な言動とかに置かれて、孤立しやすいんですよね。情報不足に対応するバックボーンとかですね、経験とか知識とかなかなか習得しにくいし、孤立しがちなんです。そこで否定的な言葉は、お母さん達の耳と目に飛び込んできやすいんです。そして、あたかも自分が否定されているかのような、自分が子育てを責められているような、そういう言動にさらされるような事が、非常に多いんじゃないかなと思います。私は胸を痛める事が多いんです。一般的な助言が飛び交い易いんですね。ともすると、学習障がいもADHDも自閉症スペクトラム障がいも一様に子育ての失敗だという考えを持つ人が一定数いて、そういう言葉に晒されやすいという印象を受けています。

 

LD(学習障がい)は、私達もやっと取り組みを本格化させようとしているんですけど、主に読み書きの障がいですが、原因は子育ての失敗でも何でもありません。情報の入力に置ける側面、視覚認知などの視覚情報処理の側面、視覚情報を読みや書きの運動機能につなげる側面の3つの面から見ていかなければなりません。

眼科の検査で視野、光の屈折、色覚、さまざまな眼球運動などからアプローチしないといけません。もうここは、科学なんです。文字が浮かび上がって見えるとか、鏡文字でひっくり返って見えるとか、最近出てきたのは、ある種の偏とつくりのある漢字が、ラップで踊っているなんて表現する生徒が出てきています。「今日は、どう?」と聞いたら「先生、この漢字が、こんな風に踊ってるんですよ。」って言ってくれるんですよね。精密な検査をすることにより、科学的に障がい特性、対処法が見つかる可能性が高いのです。

学習障がいが科学的に解明しやすいんだって事をわかるドクターなんかが日本でもやっと出てきました。今、私達もSNEC全体でお世話になっている、静岡のさくら眼科の松久充子先生というドクターが学習障がいに非常にお詳しくていらっしゃいます。医療からの検査、診療体制を充実させているんです。その先生にかかれば、文字の読みづらさ、書きづらさを持つ子どもたちの原因はこうですと明確に出てくるんですね。その為の処方箋とか学習の仕方、教材の在り方、支援方法についても所見をいただくことができます。


松久先生曰く「学習障がいは、早く発見できればいろんな手の打ちようがあります。」3歳児検診から段階を追って検査をしていけば、早期発見、早期問題解決を図りやすいのだそうです。学習障がいについては、今後どんどんメスを入れていけばいろんな解決手段があります。学校現場でも読みづらさ、書きづらさを持つ子どもたちに対して、恫喝的指導、精神的な圧迫が行われるなど、とても悲しい現実があります。「この子は、サボってる」ついには、親の躾が悪いという事になって、今だに精神論なんですよね。文明開化以前の対応をしているのが学校の現場なんです。そこは、何とかしなきゃいけない。

今日は、齋藤先生にお会いするのが楽しみで、私が一番ワクワクして来たんですけど、ほんとに先達者といいますか、旧来の学校に対してアンチテーゼというか、新たな学校の選択肢を作り上げられた方です。そういう学校経営に乗り出す人が増える人が、日本全国でもっともっと増えてこなきゃいけない。従来のままでいいんだと、悪いのは子供なんだと悪いのは親なんだと、特に母親なんだという学校の文化が、今だ横行しているんじゃないかという気がして仕方がないんです。

まぁ、そこでそんな事ばかり言っていてもしょうがないんで、じゃあそこで私たちは、どう立ち止まり、どう対応して対抗していくのか、学校からの謂れなき、指を指してくるかのような言動と、恫喝的な対応にどう対処していくのかという事なんですけれどもポイントは3つあるんですね。まずは一般的な助言に耳を傾けないという事ですね。聞く前からわかるような、よくありがちなアドバイスする方には、そもそも近づかない事が第一ですね。2つ目は、学問と科学にどんどん近づいていくという事。そこに長けた方が必ず久留米周辺にもいるし、今日もここにいらっしゃるんですけど、科学で捉えようという方が確実に出てきているので、その人達と縁を結んでいき、お近づきになっていく事。精神論を吐く方には、近づかない。そんなネットワークは、こりごりだと言わんばかりに縁を断ち切るという事ですね。それと、3点目ですが、子どもたちは、教育と医療と福祉の支えの上にやがて何らかの形で社会参加しなきゃいけない。社会参加=職業生活です。教育、福祉、医療、就労この4つの蛸壺があるんだと思うんですが、蛸壺が、別れっぱなしなんですね。

ですから、「途切れのない連携支援」なんて言いますが、言うは易しで、なかなか途切れのない状態が実現できていないんですよね。ですから、今日もその一環だと思うんですけどわれわれ教育サイドの人、医療の立場の人、心理畑の方、福祉や就労ですね、それらの人たちとのネットワークを作っていく。タフに勝ち抜く為にいろんな情報を収集して縁を結んでいくと、学校だけに頼らない、学校を当てにしないと言わんばかりにタフなネットワーク作りに、自信を持って取り組んでいくという事だと、私は考えています。子どもたちの未来は、タフなお母さん方にかかっているんです。これほど大変な目にあってまだまだやんなきゃいけないのかという思いもあるかとは思いますが、そういう子を頂いた以上、ある種の人生観の転換、生き方を変える、本当に追い込まれた状況から目覚めて賢く、タフにたくましく生き抜いていく母親像になって頂く事を、私は念願してやまない人間なんです。

その為に私共や立花高校が存在しているんですね。皆さんのお役に立ちたい。困難な状況に置かれた子供達を、それを支えているお母さんを支えるのが、私達のような学校の役割なのかなと思っております。  ≪10月号に続く≫


 

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