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「低体重で生れた赤ちゃんとお母さん」

久留米大学文学部教授



母子手帳

「保育器に入っている我が子を見て、妊娠中もっと耐えていたらと自責の思いにかられた」「緊急帝王切開(CS)にて出産。周りに同じ境遇の人がいなく、ネットを見るもかえって落ち込み、毎日の面会を仕事のように感じた。小さく産んでしまったことへの申し訳なさでいっぱいだった。他の先輩お母さんからのアドバイスにもいらついてしまい、ひとりぼっちだと思った。」「母子手帳を広げて、自分の子供には成長曲線に体重の目盛りすらないことに気付き、ショックを受けた。」「初めての妊娠がわかって、母子手帳をもらった時、すごくうれしかった。しかし入院安静、その夜に緊急CS、母子ともに危ないと言われた。母子手帳には何も書けず、一歳までは何も記入できていなかった。」「未熟児はなくならないのに、どうして未熟児用の母子手帳がないのだろう・・・」「母子手帳は育児書として素晴らしいが、正常ではないと、自分が異常だと落ち込む一面もある。」

これらは、昨年12月20日、静岡県立大学で開かれた「第1回リトルベビーハンドブック(LBH)の発展を考えるつどい」の議事録に書かれた「お母さんの声」の一部です。このような思いをした、あるいは、しているお母さんたちが数多くいらっしゃる中、ポコアポコ(小林さとみ代表)が静岡県の協力の下2011年に作製したのが「リトルベビーハンドブック(LBH)」です。

LBHの「巻頭のあいさつ」には、「小さく生まれてしまったのはお母さんのせいではなく、赤ちゃんが早くお母さんに会いたかったからだよ」というメッセージがあり、LBHを使ったお母さん方は、この言葉に「本当に救われた」とおっしゃっています。

低体重児の問題は、母子保健の中でも大きな問題の1つです。未熟児・低体重児・その他障がいをもって生れたお子さんなどが使える母子手帳は、お母さん方の孤独を解消し、「ママも早く会えてうれしかったよ」と言えるようにする力を持っています。LBHの普及は、現代の日本社会の大きな課題の1つと言えるでしょう。

この問題に、日本復帰直後から取り組んでいたのが沖縄県です。沖縄県が母子手帳を使うようになった時、このままでは使えないと思ったのではないでしょうか。沖縄県では、低出生体重の赤ちゃんが多かったのです。そこで、沖縄県では長期間のフォローをして育ちを見ていきたいと、当初は15歳まで使える母子手帳を県として作製し、平成21年からは、予防接種欄や歯科往診暦なども備え20歳まで使えるものとしました。家族みんなで子どもの健康と成長を考えるという趣旨から、名称も母子手帳から親子手帳に変えています。

「人は、ひとり一人違い、また違う人生をもっている」という原点に立って、久留米でもLBHや親子手帳の普及について考えていければと思う次第です。

 

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