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『大人の発達障がい・入門』④


 

 

どんな特徴があるの? 

「この発達障がい」という障がいの特徴なんですが、いろいろ並べましたけども、数は多いと言われています。推計ではおそらく、全国で一千万人以上はいるだろうと言われています。じゃあ、どのレベルの障がいで一千万人としているかというのも、また微妙なんです。精神障がいの人って、物凄く多いのです。高血圧で病院にかかっている人よりも、精神科に精神疾患で病院にかかっている人の数の方が多いんです。世の中には、あまり知られていませんが。彼達は、言いにくい状況があります。人前で薬を飲んでいる時「何飲みよると?」と聞かれても「いや、高血圧の薬のみよるっちゃん」というようなことは、さらっと言えても「あんた、その薬は何?」って聞かれて「これ、抗うつ薬やん」って、なかなか言えない。「受け入れてもらえるやろか?」という課題がありますから、精神科の病気や障がいは、あまり人に言えないというところが課題なのです。同じように、発達障がいに関しても、本当にそばにいる人しか気づいていないという事もあるんですよね。
外見で課題が判り難いという事もあります。後の方でも行動の特徴をいくつか挙げますが、周囲の人には「怠けてる」とか、「反抗的な人だ」といった風に判断されてしまって叱られることがあって、本当は支援が必要だとか、手伝ってあげるといいことがあるという風に思ってもらえない、そういうことがよくあります。
3番目ですが、先ほどから何回も言っていますように、障がいの境界線が不明確ですから、気付いてもらうタイミングが遅れる事があります。これは、周りだけでなくて本人もそうなんです。時々、成人で大人の発達障がいの方が来られた時など、親御さんが非常に自責的になられることがあります。「本当に申し訳なかった。この子はね、そんな障がいがあると気付かなかった」と凄く悔やまれるんだけど、気付かない事が当たり前のケースも結構あるんです。そんなに早く気付けるかって、それも難しい事なんですね。何度も言いますように、境界が不明確な為に、ハッキリ判りにくいんです。ご本人が、認識を持ちにくい事もあります。説明して「発達障がいかもしれませんね」という話をすると、「いや、そうじゃない」と感じる方も当然いて、その為に、なかなか支援につながらないということもあるようです。
特徴の続きです。課題が「あ、もう大丈夫かな?」と見える時と逆に急に大きくなって見える時などがあります。「得意なところと苦手なところ」の能力は、実はあんまり変わってないけど、環境によってその変化が大きくなったりします。今日ここにいる人達は、多分ちっご弁(筑後弁)の解る人達ですよね。大丈夫ですか?ちっご弁。大丈夫ですね?これが、みんな一斉にフランスにポーンと行ってしまったら、全員障がい者です。フランス語できる人、つまりそこで言葉の障がいがない人、いないですね。(笑)僕も、全然ダメです。そうなると、私たちみんな言葉の話せない障がいになるということなんです。一斉にフランスに行っちゃったらどうするかと言うと、それは支援を求めなきゃいけなくなります。日本語、できれば、ちっご弁の解る日本人を探して、フランス語の堪能な日本人を探さなきゃいけないですね。ちっご弁が無理なら、しょうがないから普通の日本語の話せる人。そうやって支援のできる人を探さなきゃいけない。今のは極端な例ですが、得意不得意というのは、その時によって出てくるところが違います、という事を言いたい訳です。
また、一見解決したように見えても、それはその人が苦手な事を求められない環境にいる時は大丈夫なのだけど、その人があまり得意でない事要求される環境になった時に、課題が大きくなったりします。周りから見ていると「この間まで、あげん元気にしとったやんね」とか「普通に学校に行きよったですよ」といった状態から、学校で環境が変わった時や、求められる立場が変わった時に課題になっていくのです。
さらに特徴のひとつには、家族的な背景がある時もあります。簡単に言うと遺伝的な要因がゼロではない。但しゼロではないというのは、精神科の病気のほとんどそうであるように、単純に計算できるようなものでもありません。メンデルの法則というのを習ったことがあったでしょ?あんな単純なものではないのです。ABOの血液型のようにカチッとしたものではないのです。ご本人さんが発達障がいでお父さんも発達障がいといったこともあります。お父さんと概ね似てて、そのお父さんはこれまで社会的に何とかなってきてるので、よく似た課題があっても気付きにくいといったことがあります。ご本人さんとお父さんは環境も違うし、時代も違うし、求められるものも違う。そこにたまたま、ご本人さんがお父さんと違う役割りを求められたり、違う夢を持ったり、お父さんとは違う分野に進んだ時に発達障がいの課題が問題となって現れるといった事があります。本人が苦労して僕らの所に来て、お父さんもやって来て、「あ!そっくりだな」という事がわかったりします。お父さんは、自分とよく似てるからあまり問題だと思わないし、お父さんの奥さんであるお母さんも気付かないわけです。お父さんは、今まで普通に仕事してて家族支えてくれてるし、お父さんとよーく似てるけど、それは「別に、普通やん」って。先ほど言ったように環境によって課題の現れ方が変わるので、そういう気づき難さにつながることもあるんですね。親が発達障がいだと子供も絶対発達障がいってことではありません。そんな単純なレベルではないのです。
これも先程お話しましたが、複数の課題が同時に起こるということは、そんなに珍しくありません。ほぼアスペルガーの課題を持ってるんだけど、ADHDの特徴も持ってるねという人は、けっこうおられます。何度もお話しましたように、きれ~いに分かれる訳ではなく、それぞれ特徴を持っていて、これも、外から見ると判り難いのですね。
環境から求められる能力の水準、特に今日は大人の発達障がいというテーマですけれども、子供の時は、あまり気づかれないというケースもあります。大人になって発達障がいになるのかというと、そうではなく、もともと持っていた課題というのは、あまり変わらないようです。しかし、子供の時に求められていた水準から大人になって求められる役割りが変わってきた時に、「ここが苦手」というのが露呈する。そこをがんばらなきゃいけない場面になった時にご本人さんが「あっ…、大変だ…」ってなることがあります。先程ほんとに極端な例を言いましたが、一斉にフランスにボーンと行ったら全員求められる能力を超える訳ですよね。少なくとも言葉に関しては。極端に言うとそういう事です。もうちょっと丁寧に言うのならば、水準によりますが、高校生までは学校からある程度このようにしなさいと言われる事をこなしていけば十分にやれていたものが、大学生になったり、社会人になった時に、自分で少し工夫しなきゃいけなくなったりした時に、その人の上手くいかなさが出てくるという事があるのです。そうすると子供の時は、そんなに目立たなかったものが、大人になって出てくるという風に見えてきます。大人になって環境が変わり、そのストレスが発達障がいの原因になるという訳ではないのです。大人になって指摘されるケースは、こんな事が多いような気がします。

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